産業交流展に行ってきました。一味変わったものです。

kouryuu1.jpg
kouryuu2.jpg
kouryuu3.jpg
東京都が主催する、唯一の中小企業向けの見本市です。
楽市楽座を連想させるようなごった煮的なところがいいのです。


 東京都及びその周辺都市にある中小企業だけを出展対象とした見本市で、東京都が主催している珍しい見本市である。「東京都」という地域を限定し、さらに、「モノ造りをしている中小企業」という制限をした中で、やる気のある中小企業だけが出展している。一般の見本市では、大企業による出展が大半で、飾りつけ、ブースのデザインなどは洗練されています。コンパニオンもいて賑やかな演出があります。それに比べるとこの「産業交流展」では地味というより泥臭い雰囲気の会場であり、野暮ったいことが特徴です。出店者の資格も「単にモノ造りをしている中小企業」という締めくくりなので、範囲が極めて広く、ありとあらゆる種類の中小企業が出展していました。中小企業と言っても、百人規模の組織的な企業から一人で運営している家内工業的な企業まであり、まとまりのつかないへんてこな見本市でした。出品されている商品もレベルの格差がひどく大きく、玉石混同というよりは「石石石たまに玉混同」と表現するとピッタリです。
 こんな風に表現すると、この見本市は全くダメであり、見学する価値がないように思われますが、これが面白いのです。大企業では開発しないような変わった発想による商品や、アイデアだけで実用性が薄いような商品の中で、たまに光る商品もあるのです。それらを見つけ出すのが楽しいのです。いわば、中近東のバザールに出掛け、偽物ばかり売っている商店の中にたまに出てくる本物の骨董品を発掘するような面白さです。
 こう言った観点からすれば、この中小企業だけの見本市は見学することは大きな価値があります。一度は覗いてみて下さい。きっと何か得られるものがあるはずです。
 会場内を写した写真を参考にして頂くと判るのですが、あか抜けせずに泥臭さが満ちあふれています。ノボリを多数立てていますが、場末の駅前商店街のような雰囲気です。各ブースには飾りつけもなく、商品がテーブルに並べられていて殺風景なものです。だが、この無愛想さ、泥臭さがたまらなく好い、とおっしゃる方も多いのです。ネクタイをぶら下げたサラリーマンではなく、ジャンバーを着た零細企業の社長達にとってはこちらの雰囲気がピッタリしている、との感想でした。
2005年10月28日