高齢者には必要かもしれないのですが、マーケットが狭いのです。
高齢者社会になったので、介護用品を新たに開発する中小企業も多いのです。足腰の弱った高齢者の排便を介護するための、便器付き椅子を出品する企業も見かけられました。介護保険制度が開始された頃には、福祉機器展に便器付き椅子を出品する業者が20社以上も見かけられました。地方にある木工製作の中小企業による製品が多かったと記憶しています。地方にある木工所であれば、このような商品は比較的簡単に製作できます。従来から製造している木製椅子を改造すればこと足りるかもしれません。簡単に製造することができるので、介護の業界を知らない木工所が新たに参入したのではないかと思われます。
しかし、高齢者がこのような椅子で排便したとしても、後の処理は誰がするのでしょうか。便器を持って他人の排泄物を処理するのは介護者にとってはあまり気持ちのいいものではありません。最近は高機能のおむつが発達し、高齢者の介護ではこちらが主流となっているようです。このため、最近では便器付き椅子を新たに出品する中小企業は減ってきました。便器付き椅子は介護用品の一部門であり、社会で必要な商品なのですが、マーケットは狭いのです。このため、現在は販売力のある2、3のメーカーが市場を殆ど占めるようになっています。従来からある木工の技術を転用して簡単に参入できる、と考えるのは浅ましいことでしょう。
この続きは拙著「くたばれベンチャー」をお読み下さい。
タイトル 「くたばれベンチャー!モノづくりニッチで起業」
出版社 株式会社秀和システム
定価 1500円(税別)
内容の詳細とご注文は下記のホームページをご参照下さい。
http://www.shuwasystem.co.jp/products/7980html/4593.html
2014年8月27日