健食の素材と受託メーカーの見本市です。

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健康に良い素材・加工を展示してます。
販売する会社が来場していました。


 「健食原料・素材・OEM展」と長たらしい見本市に出掛けてきました。この見本市はちょっと特殊なもので、健康食品(略して「健食」)の原料や材料を提供する企業や健食を代理して製造する企業が出店するものであり、来場者は健食を販売する企業なのです。
 健食とは、医薬品でもなければ食品でもない食料品であり、食べたり飲んだりすると健康に「極めて」良いとされる食料品なのです。いわゆるサプリメントと呼ばれる分野に属する食料品です。「癌に効く」とか「美容に良い」とか「痩せることができる」といったような薬効はうたうことができないのですが、「健康を増進する」とか「体力を回復できる」といったような曖昧な表現で販売されているものです。食べたり飲んだりするとそなりの効果があるのでしょうが、どこまで効果が出るか個人差が大きいものでしょう。「鰯の頭も信心から」の諺がピッタリの業界でしょうか。
 この健食の業界は製販が比較的明瞭に分離されていて、健食の素材を提供する業者、その素材を加工して粉末やカプセルに加工する業者、加工された健食を販売する業者が分かれています。この業態から、原料を製造している企業と販売業者からの委託によって商品を製造する企業だけが出店するこのような見本市が成立しているのです。二段目の写真は販売業者から委託で健食を製造するメーカーのブースであり、三段目の写真はそのメーカーが製造できるサンプルです。カプセル入り、錠剤、粉末など何でもあります。この会社は製造するだけなので、社名が表に出ることはありません。販売会社の注文によってどのような商品にも加工してくれます。すると、販売会社Aが販売している健食も、販売会社Bが販売している健食も同じこのメーカーの製造ラインから出荷されたものかもしれません。まあ、世のなかの商品の裏側はそんなものでしょう。
 四段目の写真をご覧になるとわかるのですが、このブースでは霊芝(猿の腰掛け)の素材を販売しています。注意してみると、商品の下に「長野県産」と注意書きがしてあります。じつは、健食の業界でも素材の産地が問題となっています。昨年の毒冷凍ギョウザの事件から、健食業界でも中国製の素材が敬遠されているのです。健康の食品や飲料を販売するのに、毒入りであったり残留農薬混じりの素材であれば全く消費者から相手にされなくなるのは確実です。そこでこの見本市では、どのブースに行っても「日本製」、「国産」の文字が書かれています。素材そのものが安全安心ですよ、とアッピールしていました。そりゃまーそうです。健康になると飲食したものが、実は不健康の原因になるようでは困ったことですからね。
2009年5月24日