こんな活気のある見本市も少なくなりました。
今年も「中小企業総合展」に出掛けてきました。一年に一回、全国の中小企業が新商品・新技術を展示する大イベントであり、各県から選抜された活力のある中小企業だけが出店できるものです。甲子園大会か都市対抗野球に匹敵する中小企業のための祭典といっていいでしょう。今年は全国から500社が出展していて、極めて活気がありました。それもここの主催者は中小企業基盤整備機構であり、出店料(ブース代)が極めて安いからです。民間企業主催の見本市なら出店料が数十万円かかるところが数万円ですみます。助成金により安くできるので、中小企業ならこのような会場を利用しない手は無いでしょう。
7月以降の見本市がどこも出店者減少で活気が無いのに比べ、ここでは出店者も来場者も多く、元気があります。現在、民主党による税金の無駄遣いを見直すために、助成金や補助金の「仕分け」がなされていますが、このような活気のある見本市は来年も継続して欲しいものです。できることなら、春秋の年二度の開催があってもいいのではないでしょうか。中小企業総合展は全国の中小企業が研究した新商品を発表できる唯一の場です。役所による税金の無駄遣いが叫ばれていますが、これだけは絶対に残して欲しいものです。
しかし、三段目の写真にあるように、この会場の一部には「中小企業支援コーナー」があって、各県の財団法人である中小企業支援機構や金融公庫などの支援団体が出店しています。毎年見る風景ですが、これらのブースに立ち寄る来場者もなく、待機している各団体の職員もまるでやる気がありません。主催者が整備機構なのでその参加にある支援団体の出店を呼びかけなければならないかもしれませんが、やる気のないブースであれば、そのスペースを中小企業の出店用に貸し出した方がいいと思うのですが。
四段目の写真はとあるブースでの出品風景です。毎度お馴染みの二輪車、三輪車の試作品の展示です。このような乗物は毎年のように新製品と称する試作品が出品されますが、販売された試しがありません。すでに乗物の業界には大企業が進出し、中小企業が出る幕はありません。この試作品にも補助金が出されていると思うのですが、無駄なことです。主催者が出店者を募るときには、このような売れそうにもない非現実的な商品は排除するべきではないかと思われます。出店者は各県単位で企画書を提出して出店するのに相応しいかどうか選択されるのですが、主催者側では目利きの人間がいないのでしょう。そろそろ同じ間違いは止めるべきでしょう。
五段目の写真が海外からの出店者で、この写真ではサウジアラビアの商務部でした。この他にも外国の大使館が出店してましたが、中小企業に対して海外に進出したり、投資を呼びかけているようです。海外にまで進出するような元気のある中小企業はこのような見本市には出掛けず、直接外国にまででかけるはずです。外国大使館もお付き合いで出店しているのかあまりやる気がなかったようでした。
2009年12月3日