これから始まる介護保険のために各社が準備体制に入っていました。
過日、台湾を訪問したついでに台北の見本市会場を見学してきました。見本市会場は台北市中心から東側に位置し、観光客が必ず訪れる台北101展望台の隣にある「世界貿易中心展覧一館」でした。一段目の写真の手前にある建物で、7階建てであり、内部は二段目の写真のように一階から上が吹き抜けとなっていて、一階が展示会場、二階以上は小振りな展示室と事務室となっていました。一階の広さは東京ビッグサイトの1区画より少し広い程度です。会場が狭いことから、ブースとブースの間の通路は日本のそれに比べて狭く、密集していました。国土、人口が少ないのですから致し方ないでしょう。
この日の見本市は「国際銀髪族曁健康照護産業展」であり、日本のそれに対応する見本市は「介護福祉機器展」でしょう。「銀髪族」は「シルバーエイジ」を中国語翻訳したと思われ、なるほど漢字文化の国だ、と感心しました。会場の通路は四段目の写真のように狭いのですが、来場者は結構多く、この国での関心の深さが理解できます。本年の出店者数は298社、来場者は63,395人、内外国人の来場者は1,271人とのことでした。
日本と同様に台湾でも高齢化社会が進んでいて、老人の治療・介護は社会問題となっています。日本と同じように、小子高齢化が進んでおり、早い時期に老人人口比率が日本と同じ比率になるのが目に見えているのです。すでに、台湾にも老人ホーム、介護施設はあるのですが、施設数は少なく、入居費用が物価に比べて高いようです。社会のインフラが高齢化に未熟といえます。
このため、台湾政府は遅ればせながら来年度(2017年)より介護保険制度を開始する計画なのだそうです。日本のそれとほぼ同じ内容で、介護保険を利用すると1割程度の負担で介護機器の購入・レンタル、介護施設の入居が可能となるようです。このため、日本の介護機器のメーカーや介護施設を運営している企業は早くも進出する計画を立てているようです。
どう言う訳か知りませんが、台湾の見本市では5段目の写真にあるように、各ブースには花束が飾られていました。知人や関係企業からの贈り物で、商談が成功するように祈っているようです。日本のブースであれば、展示物の邪魔になるので嫌がるでしょうが、中国人社会では、このような贈り物で交遊関係の繋がりを表現しているのでしょう。
この日の会場の中心には「台湾銀髪産業連盟」のブースがあり、連盟会員の車椅子が展示してありました。介護関係は台湾でも産業として成り立っていて、このような協会ができているのです。今後は会員数は増加していくことは間違いないことでしょう。
7段目の写真は、車椅子を搭載できる改造車のブースで、2、3社が出店していました。いずれも個人の改造車メーカーのようであり、日本のようにトヨタや日産の自動車メーカーが直接参入していないようです。
2016年7月24日