今年も見かけた売れない商品です。

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 産業交流展には必ず出品される車椅子です。今年は例年に比べて少なく、2社が出品していました。一段目の写真は上下動、回転自在の車椅子で、某鉄工所が出品してました。椅子の下に取り付けた油圧ジャッキにより、車体から椅子が上下動できるというものです。出店ブースが借りられることが決まってから2ヵ月で大急ぎで製造したのだそうです。介護業界の実情を考えずに試作したので、重すぎて使えないでしょう。アイデア自体も思いつきのようなもので、実用性はありません。社長は、「この試作品を見て、介護用品の企業から下請けの仕事を受注できれば有り難いものですが」と申していました。しかし、このような企画力であっては、介護用品の業界からはあてにされることはないでしょう。
 二段目の写真は三輪車椅子です。介護者が疲れずに車椅子を移動させることができる、というものです。このアイデアも数年前の見本市で見かけたもので、実用性は薄いでしょう。車椅子に乗った被介護者にとって、高速で走行する必要性はなく、逆にこのような車体で衝突事故を起こすことの方が怖いでしょう。このようなアイデア倒れの新商品はお止めになった方がいいと思うのですが。
 三段目の写真は改造電気自動車です。二十数年前の中古車にモーターと蓄電池を搭載して電気で走行できるのが売り物でした。電気自動車に改造することによるメリットとして、①充電で走行できるので燃料費が安くなる、②車検が新車の扱いになる(新車登録できるらしい)、③エコ減税の対象となる、などです。しかし、二十年前のポンコツ車に金をかけて改造してまで電気自動車にするのにはメリットがなさ過ぎます。話題性はあるのでしょうが、ガタガタの車体をそこまでして使う必要性はないと思います。出店していた会社では熱心に説明していましたが、飛びつきにくい話です。
2010年11月24日