実物を見た日本人は少ないのではないでしょうか。
会場内に人だかりがする自動車がありました。インドのタタ社製の小型自動車ナノのカットモデルです。インド国産で、定価が30万円という驚くような安価な値段で売り出して、世界をアッと言わせた商品です。私は初めて見ましたが、来場者の多くも初めて見たようで、カメラを片手に詳細に撮影していました。私も沢山撮影しましたが。
二段目の写真は後部から見たもので、二気筒のリアエンジンが搭載され、エンジンは一応水冷となってますが、電子制御というには程遠い30年位前の設計だと思われます。極めて単純で簡素な構成になってます。しかし、その昔、富士重工業が発売したスバルも同じような構造でした。インドは未だ発展途上国なのですから仕方ありません。
四段目の写真はシートの断面なのです。コイルスプリングなどは使用せず、四角い鉄枠に波状のバネ材を溶接し、その上に直接ウレタンのマットを載せていました。乗り心地が良いか悪いかは一目瞭然。このようなクッションでインドの悪路を走行したら、どんな振動がお尻に伝わるのでしょうか。しかし、安価に製造するとなればこのような組み合わせでなければならなくなります。とにかく、4人が乗車することができ、何とか移動できるだけの性能を確保するにはこれが精一杯なのでしょう。
2012年3月17日