似たような商品ばかりの福祉機器展ですが、頑張ってる企業もありました。
目立たないが味のある商品です。
どのブースも似たような商品ばかりが目についた国際福祉機器展であったが、中には他社ではできないユニークな商品を開発している企業も見つけることできた。大量には販売できないが、誰かが必要としている商品だけに開発を特化させた企業である。
上段の写真ではプロテクター機能のある帽子である。要介護者が転倒して頭部を打撲するのを防止するために、緩衝材を内部に縫い込んである。転倒しても頭部に大きな衝撃を与えないことができるようになっている。この商品の特徴は、外観が帽子なのである。以前から転倒防御のためにプロテクターは存在したが、いかにも介護用品というデザインで野暮ったいものであった。この企業のプロテクターでありながら、最近流行っているデザインで帽子を製造している。外観からすると普通の帽子なのだが、実は緩衝機能がついているのがミソである。この企業はかなりの種類のデザインの帽子を製作していて、使用者の好みに合うデザインを供給していた。なお、この企業は札幌に本社があり、冬季において道路が凍結したときに、学童が滑って転倒する事故が多いことから開発を始めたようだ。
下段の写真は松葉杖である。デザインもユニークなのだが、特徴は脇の下に当たるパットの形状が人間工学に合わせた曲面に仕上げていることである。従来からの松葉杖では、パットの形状がごつくて使い難かったのを改良したものである。なるほど、昔からある松葉杖では長時間使っていると脇の下が痛くなる。この点を改良し、デザインもシンプルにしたのである。しかし、価格が高くなり、経費を節減したい病院ではあまり採用してくれず、年間数百本しか売れないと担当者は嘆いていた(松葉杖は病人が購入するのではなく、病院が一時的に病人に貸与するのが慣習となっているため)。病人が使って便利な商品であるため、病院側や行政側は普及に努めて欲しいものである。
2005年10月6日