出店者も来場者も中小企業主の見本市です。
昨年に比べて出店者が多くなったようです。
ベンチャー・リンクというコンサルタント会社が運営する「東京ビジネスサミット」にでかけました。この見本市は「中小企業・個人事業者」が出店者の対象となっており、街の無名の小さな会社のみが出店できることが特色となっています。別に、大企業がこの見本市に出店しても構わないのですが、来場者が同じような中小企業・個人事業者ばかりであるので出店するメリットは無さそうです。この「東京ビジネスサミット」のように中小企業という枠で出店者をくくっている、似たような性格の見本市には「中小企業総合展(11月29日に東京ビッグサイトで開催)」があります。このため、「東京ビジネスサミット」は民間主催であり、「中小企業総合展」は官庁主催ということになります。
同じ中小企業を出店者対象としているのですが、両者の性格は全く違っています。「中小企業総合展」の主催者は経済産業省傘下の中小企業基盤整備機構であるため、第2次産業の中小企業が出店者の対象となっていて、出品物は工場で生産されるような加工品、量産品、新規企画商品などに限定されてます。いわば、中小企業の新製品のショールームといった感じとなります。これに対して、「東京ビジネスサミット」での出店者はどんな職種、業務でも構わず、中小企業同士の交流と商談の場という性格があり、出品物は第一次産業に関した食品、食品加工品が多いのが特徴となっています。2つの見本市では性格が大きく違っているので、中小企業を出店者の対象としていてもそのエリアは全く異なっています。
この見本市の出店者は、大きく分けて次の3種類に分かれます。
①中小企業が単独で出店する(通常の見本市と同じ)
②金融機関により地域の企業がグループで出店する。
③加盟店・代理店を募集する企業が出店する。
①と③はどの見本市にもある典型的なスタイルですが、来場者が中小企業主、個人事業主ということからそれに対応する内容の商品・サービスを提供する企業が出店していました。特色のあるのは②のグループ参加の出店であり、地方の信金、地銀が音頭をとって、その地域にある元気な中小企業を選んで出店させてました。つまり、金融機関がベンチャーリンク社からまとまった広さの床を一括して借りて、その床を分割して地元企業に又貸しするようにして出店させているのです。つまり、会場の特定のエリアには地方の金融機関の関連するブースだけが並んで出店している光景となり、その地方の特色のある産物、商品を一度に陳列することができるのです。
現在、どの地方の金融機関でも融資先などの地元中小企業を集めたビジネスクラブを運営しています。クラブの会員の中で、全国に販路を広げたいと考えている元気のある中小企業を出店させています。各会員が払うブース代はどの程度のものかは、それぞれのクラブの方針なので千差万別ですが、通常の見本市での出店料金に比べて遙に安価なようです。このため、日頃は東京では見かけないような地方の小さな企業が出店していて、会場は熱気に溢れていました。
各金融機関グループでの出店しているエリアでは、それぞれ特色を出そうとブースの付近の装飾に工夫を凝らしていました。二段目の写真は富山銀行などの北陸街道、三段目の写真は山梨中央銀行の風林火山ロード、四段目の写真は第四銀行などのにいがたゾーン、五段目の写真は静岡銀行などの静岡夢街道、六段目の写真は倉敷信金などのふるさと山陰街道です。
この東京ビジネスサミットは、今年で20回目となったのですが、毎年参加企業が増えているようです。今年の参加企業は750社となっていて、一日では全てのブースを見ることは難しいようです。
2006年11月17日