中小企業だけの見本市です。

06cyuusyou1.jpg
06cyuusyou2.jpg
06cyuusyou3.jpg
06cyuusyou4.jpg
06cyuusyou5.jpg
モノ造りに限定した中小企業の年一回のお祭りです。
これを見なけりゃ日本の中小企業が理解できません。


 皆様お待ちかね?の「中小企業総合展」です。これを見なければ全国の元気のある中小企業が判らない、と巷で言われている著名なものです。主催者は中小企業基盤整備機構であるため、補助金を使って盛大に開催されてます。いわば、中小企業庁、経済産業省が音頭をとった中小企業のための、年一回のお祭りといえるのではないでしょうか。
 出店者の制限は特になく、「中小企業・個人業」であればだれでも参加できます。極めて曖昧な出店者の資格なのですが、第一次産業と第三次産業の企業の出品はできません。主催者が工業、生産業を監督する中小企業庁、経済産業省であることから、「モノ造り」に主点を置いているからです。このため、他の中小企業を対象にした見本市と違って、生鮮野菜や食料品などの出品はなく、隙間商品の発表や観察にはピッタリと言えます。
 二段目の写真は会場内のブースですが、今回の出店者は420社を越えた大がかりなものであり、各社平等に同じ広さのブースが割り当てられています。日頃の見本市では、中央に大企業が出店した大きな区画が目立ち、壁の回りに中小企業のブースが並べられるというのではなく、広い会場を正確に碁盤の目のように細かく区分してありました。なるほど、役所が主催するとこんな風に区画していくのか、と関心しました。丁度、無機質のコンクリートの建物が規則正しく配置された、住宅供給公社のニュータウンの公団住宅を連想させられました。しかし、これだけの出店者のブースをくまなく見て歩くのは大変な作業でした。
 中小企業ばかりの出店なので、ユニークな商品や独創的な商品が出品されていて、見て回るだけでも楽しいものです。三段目の写真は木製の時計なんですが、これは完成品であり、組み立てキットを販売しているそうです。これから増える定年退職者の趣味のために開発した、とのこと。青森県の企業でした。
 三段目の写真は災害仮設住宅で、段ボールで組み立てるものであり、結構丈夫にできていました。モンゴルのパオのような構造で、防水段ボールを使っているので断熱性もあり、内部は結構広いものでした。今まで仮設住宅は数多く見てきましたが、このような完成度の高いものは有りませんでした。私としては、仮設住宅よりも、夏のキャンプ場での使い捨てテント、建築現場での仮事務所に使った方が面白いと思うのですが。
 四段目の写真はいつも見かける落第商品です。段ボール製の便所と便器です。災害時にこのような仮設便所を組み立てて使用すれば、被災者にとって便利だと考えたのでしょう。実際に災害があれば、被災地では便所が必要となりますが、空き地などに穴を掘ったり、川で用をたすのが現実的です。こんなヘナヘナの段ボールの便所なんて風が吹いたら飛んでいってしまいます。第一、便器の中に排泄した屎尿は、誰が何処に持っていって、どのように処理するのでしょうか。実際の災害になったら、見栄えがよいものよりも、処理が簡単な方法に頼らざるを得ないと思います。そろそろ、こんな使えそうにない商品の開発は止めたらどうでしょうか。
2006年12月9日