縫製産業が中国に移行すると共にミシンも売れ行きが悪くなったようです。
「ファッション産業機器展」という見本市に出掛けてきました。主催者は、東京ミシン工業会という団体なので、当然のようにミシンが主な出品物ですが、家庭用のミシンではなく全て工業用のミシンです。この業界は当然のように縫製工場や衣服加工業者を対象としているのですが、国内での縫製は減少し、中国、東南アジアに生産工場が移っています。このため、昔のように見本市も盛んではなくなったとのことでした。また、出品している縫製機械も中国でコピーされたりするため、輸出もそれほど盛んではないそうです。しかし、日本の精密機械であるため、世界でも優秀な縫製機械を展示していました。
二段目の写真は自動的に刺繍を行う機械で、このようなヘッドを2、30台連結し、コンピューターで同時に作業するのです。同じパターンの刺繍が一度に生産できるものです。このような高性能機械は中国ではまだ真似ができないようです。
三段目の写真は、従来から縫製工場で見かけられる工業用ミシンです。とても頑丈にできていて、厚手のテント地、ビニールシートも縫い上げることができます。中国でそっくりのコピー商品も出回っているらしいのですが、耐久性が全く違うそうです。
四段目の写真は、ミシンの当て金の部品です。私も知らなかったのですが、ミシンは各部品をそれぞれ専門に製造する会社があり、ミシン会社ではそれらの部品を集めて完成品として組み立てているのだそうです。ちょうど、自動車が部品会社から購入した部品で組み立てられているようなものです。この会社では各種寸法の当て金を生産していて、どんなミシンにも適用できると説明していました。昔はこのようなミシンの部品を専門に製造する会社があったらしいのですが、ミシンそのものの製造が減少しているので徐々に少なくなってきたようです。
2006年12月10日