商品はなく、形のないノウハウが商品です。
定年退職者の増加で、このような見本市は増えていくでしょう。
リクルート社が主催する「FC&独立開業フェア」に出掛けてきました。売り買いする商品は無いため狭義では見本市には該当しませんが、「情報、ノウハウ」を商品と考えれば広義では見本市の範疇に入ります。最近はこのようなフランチャイズをテーマにした見本市も増えてきました。この見本市では、既に店舗を保有していて業態を変えたい商店主か、脱サラして新たに独立してみたいサラリーマンが対象となります。通常の見本市と違って商品はなく、机だけが置いてあります。出店者の説明員により、対面でサービス内容の説明を行うのが営業となります。カタログだけが参考資料であり、形の無いノウハウを売るために、説明員が来場者に懇切丁寧に説明していました。フランチャイズに加盟したとしても、売上高や利益などは全て予測であり、実際とは違ってきます。これから加盟しようとする人にとっては大金を支払うことになるのですから、予測が外れたら大損になります。皆様真剣に説明を聞かれていました。
しかし、この見本市では私の予想に反して来場者は多く、通路は混雑しておりました。近く始まる大量定年退職者が次の仕事を捜そうとしてきているのでしょうか。それとも、既存の商店主がもっと儲かる仕事を見つけにきているのでしょうか。意外にも、フランチャイズで次の仕事を見つけたいと考えている人が多いことに気がつきました。
会場で感じたのですが、はんこ屋のフランチャイズと喫茶店のフランチャイズが多いのです。どうも、利益率が高い割に素人でも転業が可能な分野らしいのです。しかし、全国の脱サラの人がはんこ屋ばかり開業したらどうなるのでしょうか。飽和状態になってしまうのではないかと心配します。まあ、はんこ屋の市場が飽和したら、全く別のフランチャイズを考えれば良いことでしょうか。
全般から言えることは、素人が誰でも参入でき、それなりの利益を上げられると想像できるような業態が多かった。そりゃそうでしょう。技術を身につけるのに数年もかかったり、利益はあるが汚れるような仕事には誰も参入したくないでしょうから。フランチャイズは、あくまでも、直ぐに始められて、身ぎれいな職場で、そこそこに利益がでることが使命なのですから。
2007年2月14日