台湾の自転車見本市の会場では。

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台湾の見本市は日本より国際化が進んでいます。
日本もまねするべきでしょう。


 台湾での「自転車関係見本市」の感想を一言で言えば「極めて国際化している」という感じである。東京で国際見本市を開催すると外人の来場者数は数%程度ではなかろか。しかも、外国からの来場者の大半は韓国、台湾、中国などであり、黄色人種である。欧米からのバイヤーは少なく、たまに白人を見かけると「珍しい」という感じになってしまう。だが、台北の見本市会場では欧米系の来場者が極めて多く、会場のどこに行っても目立つのである。私の推測では、欧米系の来場者は十%を遙に越えているのではなかろうか。また、バイヤーとして来場する欧米系の人達も多いのだが、ブースに立って説明する係員にも欧米系が目立つのである。会場内の欧米系の外人比率を考えると、東京の見本市会場での比率に比べて一桁多いのではないか、というのが実感である。
 この理由を考えると複数の要因が挙げられる。まず、台湾が世界の自転車のトップの生産・供給国になっている実情がある。以前の台湾製自転車は品質が悪く、安物というイメージが強かった。昨今では、安物の自転車は中国製となっていて、台湾製の自転車は世界でも高級・高品質の評価となっている。実際に技術力が上昇しているので、高級品の輸出が多くなってきている。すると、台湾製自転車の販路は全世界であり、しかも高級品を購入するだけの余裕のある国は欧米でしかない。後進国では高価な自転車を購入するだけのマーケットが成立していないためである。すると、バイヤーは欧米からが主流となり、会場内には欧米系のバイヤーが目立つことになる。台湾製の自転車は世界から見ると高級自転車の最先端であり、それを目指して先進国からのバイヤーが来場していると言える。
 次に、ブースでの欧米系の係員が多いのは、先程に説明したように、欧米からのバイヤーが多いのでそれに対応できる母国語の係員を各社が配置するからであろう。通訳を介しての商談よりも同一言語で話が通じる係員を使った方が商談を進めやすいからであろう。しかし、欧米系の係員がいるブースだからといっても、そのブースの会社は欧米系の資本による企業ではなさそうだ。現地資本の自転車会社が雇っている社員か、輸出を代行する商社の社員の派遣であったりするようだ。つまり、生産販売は台湾資本の自転車会社なのであるが、説明と商談は欧米系の社員を前面に出して、欧米からのバイヤーに折衝させている図式が成り立つはずである。こうして、台湾での自転車見本市では国際化しているのであろう。日本での国際見本市も同じような方向に進めなければこれからの輸出が伸び悩むことになるのではなかろうか。
 一段目の写真は会場内の風景である。通路が極端に狭いため、ブースとブースが向き合うように並んでいる。まあ、これはこれで、屋台が並んでいるようであって、品物を見つける楽しみがあるかもしれない。
 二段目の写真は日本企業のブースで、堺市のシマノが進出していた。シマノは自転車変速機のトップ企業であり、この部品だけで勝負していた。
 三段目の写真はフランスのミシュランのブースであり、タイヤを展示していた。欧米からの出店者はこの程度で、他には見つからなかった。
 四段目の写真はイベントのために参加した地元のサイクリング愛好家である。特定のチームが招待されたかタイアップしたかで会場内をデモしていた。
2007年4月22日