中小企業の祭典のような見本市

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民間会社主催の中小企業向けの見本市です。
何があるか判らない雑多なところが面白いと評価する人もいます。


 コンサルタント会社のベンチャー・リンク社が主催する『東京ビジネスサミット』にでかけてみました。例年開催している見本市(というよりも交易会に近い性質の展示会)であり、今年で21回目となります。どちらかと言えば少しマイナーな見本市なのですが、もう21年も続いていることになります。出店者は全国の中小企業ばかりであり、日頃は東京では見かけることのできない地方の零細中小企業を見ることができ、それなりに面白いものです。毎年、この見本市を楽しみにしているバイヤーも多いようです。
 この見本市の出店者は、個人で応募する人も見えるのですが、どちらかと言えば地方にある信用金庫、地銀の関係者がグループで出店されることが多いものです。これは全国にある信用金庫、地銀がスペースをまとめて借り上げ、信用金庫、地銀の取引先の企業がそのスペースに出店する形態をとっていることによるものです。二段目の写真は新潟の金融機関が借り上げたスペースで、両側には新潟県から来場した出店者のブースが並んでます。三段目の写真は長野県の金融機関が借り上げたスペースです。コマの面積が狭く、多くの企業が出店しているので、アメ横のような雑踏となります。しかし、これがまた面白いと感じる来場者も多いようです。地方都市にある地元の市場のような感じであり、熱気があって楽しいものです。今年の850社、来場者は3万人であるとのことで、狭い通路に多くの来場者が肩をすり合わせるようにして歩いていている光景は他の見本市ではみられません。
 地方からの出店者が多いことから、いきおい展示してある商品は農水産物などの食品が多くなっています。どのブースでも試食を勧めていました。四段目の写真は浅漬けを勧める社長で、沢山の人に試食させ商談に結び付けようとして必死でした。地方の食品会社なので東京市場への売り込みで頑張って下さい。五段目の写真は和歌山県の地方都市から出店した羊羹店でした。昔ながらの製法で羊羹を製造して販売している、とのことでしたが、地方都市なのでこんな手作りの羊羹が残ったのでしょう。創業百年である、とのことでしたが地方で細々と経営してきたので今まで続いてきたのでしょうか。六段目の写真はキンツバの和菓子屋のブースで、キンツバの製造をフランチャイズしていきたいとのことでした。冷凍の餡を本部から供給し、加盟店ではその餡を鉄板で焼いて包装するだけとのことです。味はまあまあでしたが。
 七段目の写真は木製の三輪車で、エンジンがついてナンバーも取得して公道を走行できるものです。岡山の家具メーカーが試作したものでした。全木製という三輪車は珍しいものですが、実用性は全くありません。しかし、テレビ出演や撮影のためのレンタルには引き合いがあるようです。家具会社の余力を宣伝するために製作したのでしょうか。地方の会社でも面白い発想をするところもあるようです。
 八段目の写真は生のイカからイカソーメンを製造する道具を販売しているブースです。奥にあるプレス機のような道具で生イカを挟み、グリップを引くことでイカソーメンを大量に製造できるとのことでした。
 九段目、十段目の写真は、各地方別のブースに来場者を呼び込む人達です。会場内は細かく通路が区画されていて、どこに何のブースがあるかが分かり難くなっていました。このため、その地方の関係者(多分、地方の金融機関の職員だと思われるが)にわかに作りのカードを持って来場者を勧誘していました。こうなると大学祭のノリなのですが、こんなノリがある見本市も楽しいのではないでしょうか。地方にある企業では、東京には滅多に出店できないものであり、ワイワイガヤガヤと楽しみながら東京の雰囲気を味わって見てください。
2007年10月28日