テーマが明瞭でないので来場者も来ません。
もう少し税金の有効な使い方をして欲しいものです。
「インキュベーションフォーラム」というのと「クラスタージャパン」という2つの見本市が同時に開催されていました。「インキュベーションフォーラム」は中小企業基盤整備機構が主催しており、その名の通りベンチャービジネスを支援したり育成する団体が出店する見本市でした。「クラスタージャパン」は文部科学省と経済産業省が主催しており、大学の研究室が開発した新技術や公的支援団体により成果のあった新技術を発表するものです。いずれも内容は似たようなものなので、1つの団体が2つの見本市にそれぞれブースを出店しているケースも見られました。
何だか見本市のタイトルでは理解できにくいものですが、要するに、全国にある公的な支援団体が一同に集まってこれまでの成果を発表するのが目的のようでした。しかし、大義名分はともかく、これらの見本市は摩訶不思議なものでした。出店者は、全国の各都道府県にあるベンチャービジネス支援団体であり、例えば、「○○県テクノプラザ」とか、「○○県産業振興財団」とか、「○○県産業支援センター」というような名称を使用した団体ばかりです。出店者は全て税金で活動している団体ばかりなのです。さらに、その上部団体の公的機関が東京ビッグサイトを借りてこれらの公的団体の見本市を開催しているのです。つまり、主催者も税金で開催し、税金で活動している団体が出店するというおかしなものなのです。
日頃、地方で活動している公的中小企業支援団体がその成果を発表する場である、と解釈すればいいかもしれませんが、そのような発表であればわざわざビッグサイトを使ってまでする必要性があるかどうか疑問です。税金の無駄遣いと言えるかもしれません。そのため、出店している各ブースでの内容がてんでんばらばらでした。特定の開発テーマがあるのなら、その関連技術の企業や団体が見学に来ることも予想されます。だが、「地方のベンチャービジネスを支援している」というテーマだけでは誰が見学に来るでしょうか。来場者が誰かと考えたら、他県の支援団体はどのような活動をしているか、を研究する公的支援団体の職員や県庁職員などの役人ではないでしょうか。すると、来場者もやっぱり税金で働いている人達となります。こうして、テーマが曖昧のため、出店者も来場者も主催者も何をしたらいいのか判らないうちに見本市を出発させたのではないかと思われます。
二段目、三段目の写真は各ブースの風景ですが、だれも来ないため担当者も時間を持て余し気味です。四段目の写真は、大学の研究成果の発表なのですが、こちらもパネルを展示するだけで受け付けの人もやる気がありません。多分、大学の研究室に出店依頼があったのでしょうが、見本市での反響が薄いことを承知しているので、適当にパネルを出した程度でお茶を濁したのでしょう。補助金を貰っているので付き合いで出店したような雰囲気が伝わってきます。
五段目の写真は会場内で敷地が余ってしまったところです。多分、最初は多数の団体に出店依頼をして、会場を埋めるつもりだったのでしょうが、それほど成果が無いと見越した団体は出店協力をしなかったのでしょう。会場のスペースが余ってました。
私は一応は全会場を回ってみましたが、活気もなくやる気もない雰囲気の見本市でした。そろそろ、こんな税金の無駄遣いは止めて欲しいものです。
2008年2月3日