特殊な商品なので、ここまでこないと新製品を見ることができないようです。
障害者や高齢者のための機械、器具、消耗品などを展示する「国際福祉機器展」に出掛けてきました。この見本市が他の見本市と雰囲気が違うのは、二段目の写真にあるように車椅子の来場者が目立つことでしょう。この見本市の来場者は、老人ホームや介護施設の職員が多いのですが、それらと同数位の障害者や高齢者が来場しています。福祉用品、介護用品は一般的ではなく、特に展示している店舗も少ないために、実際にそれらの用品を使っているエンドユーザーも新商品を品定めするために来場しているのです。会場には来場者が溢れるように歩いていて、盛況でした。最近の見本市では来場者が減少しているところもありますが、この見本市だけは毎年来場者数が増えているようです。
この福祉機器展は毎年盛大になっていき、出展者も増えています。高齢化社会がもうきていて、実際に福祉機器を必要とする家庭や施設が増えているからでしょう。また、介護保険や障害者向けの給付金が増額となっていて、これらの保険金、給付金を目当てにして多数の企業が参入しているからでもあります。福祉機器と言っても実は生活のための用具や器具であり、生活全体に関わるためにありとあらゆる業界が加担しています。例えば、高齢者や障害者向けの衣類や日用雑貨などの軽産業から始まって、障害者用の自家用車などの重工業までの業界がそれぞれ特殊仕様の商品を出品しています。つまり、健常者が日常使う商品と同じ種類だけの福祉用の商品が開発され、販売されていると考えればいいでしょう。
三段目の写真はベッドでの排泄補助装置です。実演をして説明していましたが、介護施設の現場ではこんな風景となっているのでしょう。四段目の写真は、ゴーグルにより映像を見せているもので、徘徊老人がどのような行動をするのかをバーチャルリアリティーの画面で体験させようというコーナーです。痴呆症の出た老人が見ている世界を画像によって体験させていました。五段目の写真は、老人介護向けの食器を展示しているブースです。身体の不自由さに合わせて、使いやすいデザインの食器が出品されてました。このブースの他にも生活に必要な商品、雑貨が出品されていて、これからもあらゆる商品が介護用、障害者用に開発されていると感じられました。
あらゆる業界から参入している原因としては、介護保険の総額が巨大であることが考えられます。他の産業と違って、景気不景気にかかわらず、必ず保険から代金が回収できるという甘さがあるからです。介護用品に指定されると、それなりの利益が確実に確保できるからでしょう。こんなに多くの介護用品が出回ると、介護保険の支払いが多くなり、次の社会問題となりそうです。
2008年10月1日