以前からこのブログでも取り上げたことがあったのですが、「片手で切れるトイレットペーパーホルダー」が度々見本市に出品されてます。何れも障害者が使用できることを目的としていて、電動式のものが目立ちます。電池でモーターを駆動してペーパーを引き出し、カッターにより自動切断させる構造のものです。国内では数社が新商品として開発し、毎年のように見本市に出品されてますが次の年にはもう見かけられません。電動式で高価な反面、それほど便利ではないからでしょう。
ジャパンショップでは簡単なトイレットペーパーホルダーが出品されてました。一段目の写真にあるようにペーパーを開口部に置き、蓋を下げるだけで使えるものです。下に垂れ下がったペーパーを斜めに引くと下側にあるプラ製の刃で切断できます。日常に使用する商品はこのようにシンプルでなくてはなりません。電動などの複雑な商品は一見すると便利そうなのですが、使ってみると金額の割りには能力が無いことが直ぐに判ります。そんな基本的なことが判らずに、複雑で高度な技術であれば商品が売れると考えてみえる中小企業主が多いのです。
三段目の写真で、ブースの前に立つ説明員の顔つきがなんだか外人のように思えました。声をかけてみるといずれもフィリピン人でした。この会社は四段目の写真にあるように、金属を加工してインテリアの素材を製造しています。この写真では鉄パイプに竹の節を加工し、鋳物で造った竹の葉を固定した装飾品です。この会社の商品は金属加工品ですが、いずれも人手による加工が必要なものばかりで、工場を全てフィリピンに移転して製造していました。本社は東京にあるのですが設計と管理だけであり、製造部門は外国に移転して現地人に技術指導していました。このような工芸品まで外国に製造移管しているようです。
2011年3月20日