メインのタイトルは「Japan Home and Building Show」と長いものですが、省略して「ジャパンホームショー」と呼ばれます。併設して「サステナブル建築技術展」「ふるさと建材・家具見本市」などもあって何かと賑やかな見本市ですが、要するに住宅建築関連の業界の見本市であり、来場者は主に街の工務店主や建築職人が多いものです。住宅建築は土台、躯体、外壁、屋根、内装、設備などの多数種類の技術・商品が絡み合った総合的な産業であり、参入企業の多い分野です。このため、この日も建築関係の技術者、経営者などが二段目の写真にあるように、多数参加されてました。
しかしながら、今年のこの見本市では少し様子が違っていて、以前ならば3ホールで開催していたのが今回は2ホールと縮小しています。出店者も最高時には650社であったのが今回は500社と減少していて、昔のような賑やかさはなくなっていました。東日本大震災の影響と、昨今の新築住宅の減少による影響かもしれません。それと、国内の企業の出店が少なく、米国、カナダ、中国などの海外の企業や大使館商務部のブースが目立って多くなっていました。海外の企業が日本に資材を販売したがっているようです。また、日本の企業の出店者では、今回が初めてという企業が目立ってました。昔からの出店者は費用対効果を考えて出店を見合わせたのでしょうか。
この会場で目立つのは住宅のシステム化です。注文住宅は大工さんによる古来の技法で建築されているのかと思ったら、意外にも見えないところで進化しているのでした。三段目の写真は巨大なダクトであり、送風機と熱交換機を介して外気と室内を連結するものです。昨今の住宅は気密性が高く、木造住宅といっても空気を強制的に入れ換えなければならなくなっています。同時に、室内の温度を外気と交換することで省エネを図っています。新築住宅の床にはこのような大がかりな換気装置が設置してあるのです。
四段目の写真は給排水のラインで、中央にある冷温水供給器から各部屋にはプラスチック製のパイプで系統的に配管されてます。こうなるとプラモデルのような組み立て方ですが、故障したときの交換や修理が簡単になるのでしょう。
しかしながら、従来の技術の伝承は必要であり、会場内では飛騨高山の職人による柱材の加工が披露されてました。
平成23年10月4日