コーヒーやお茶などの飲食関係の見本市では、必ずといっていいほど抽出器の新製品が展示されます。しかし、それらの新商品は売れているのでしょうか。私の経験からすれば、次の年には見かけられなくなり、製造中止となっていることが多いようです。
一段目と二段目の写真は、コーヒーを蒸らして抽出できるコーヒーサーバーなのだそうです。カップの上にサーバーを置き、コーヒー豆を入れてからお湯を注ぎます。しばらくそのままにしておくとコーヒー豆が蒸らされますので、横にあるボタンを押すと下の弁が開いてコーヒーがカップに流下します。こうすることで、コーヒー豆の成分が充分に抽出されて味わえるのだそうです。
三段目、四段目の写真は、紅茶、緑茶を適当な濃度に抽出できる道具なんだそうです。上下に開口した筒の一方には茶漉しの網を入れてあり、網に茶葉を入れて開口を蓋し、反対側の開口からお湯をいれて蓋をするのです。適当な濃度にまでお茶が抽出されたなら、この筒を引っ繰り返すことで茶漉しの網が上に位置し、それ以上お湯に浸からないので濃度が濃くならないという原理です。
このような新商品は、一見すると便利で良さそうに思われるのですが、実際に使ってみるとコーヒー、お茶の味が良くなるものではなく、使用後の清掃が大変です。飲料を作るための道具は何百年もの間に改良され、一番良い構造となった道具が市場に流通しているのです。小手先の改良をしても、簡素で使いやすい昔からの形状に落ちつくことになります。よほどの革命的な構造でないかぎり、このようなコーヒー、お茶を抽出する道具に変化はおきないでしょう。
2011年10月14日