毎年盛況になる福祉機器展です。

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 年に一度の「国際福祉機器展」に出掛けてきました。この見本市は、介護を必要とする老人、障害者のため、介護の世話をする病院・老人ホームなどに勤める人達のための商品、サービスを提供しようというものです。二段目の写真にあるように、東京ビッグサイトの東館1から6ホールの全てを使用しています。最近の不況により、見本市があっても展示場のスペースを減少したりして規模を小さくしているのが実情です。また、見本市を開催しても来場者が年々減っている傾向にあります。しかし、この福祉機器展では会場の広さは減少せず、出店者も増加しています。ブースには全国、全世界の企業が隙間無く出店していて、空いているスペースなどありません。また、三段目の写真にあるように、会場内には来場者があふれていて、どこも見学者で混んでいました。
 今の不況とは無関係な別世界の見本市ですが、それもこれも高齢者が増え、老人介護の必要性が出てきたからです。また、介護保険による給付もあるため、それを期待して数多くの企業が福祉産業に参入してきているのです。この業界では取りっぱぐれがなく、確実に売り上げが望めるからでしょう。そうなると一部上場の企業であれば大きなマーケットとして判断し、進出するのは当然のこととなります。四段目はトヨタ、五段目はホンダの出店ブースです。この他にも各自動車メーカーが介護用や車椅子用の自動車を展示していて、あたかも国内の自動車ショーのようになりました。さらに、六段目の写真にあるように、スポーツ衣料のaddidasまでもが出店していました。このブースではスポーツウエアを展示するのではなく、介護施設で働く人達のユニフォームを提供しようというものでした。国内の多くの企業は、福祉の業界を最後に残された大きなマーケットと考えて、必死になって売り込みをかけているのでした。
 今回、会場内を歩いて気がついたのですが、総合カタログが増えてきたのです。七段目の写真は主立った総合カタログで私が入手しただけでこれだけありました。チラシとかバンフレットなどは含まず、厚くなったカタログ集なのです。どの企業の総合カタログを見ても、ありとあらゆる介護用品が掲載されていて、これだけで介護に必要な道具を全て揃えることができるのです。ただ、どの総合カタログに掲載されている商品も同じようなもの、いや、全く同じ商品であり、販売している商社が違うだけなのです。つまり、一つの介護用品・福祉用品の製造元は同じメーカーなのです。あらゆる介護用品・福祉用品メーカーの商品が羅列されるように掲載されていると言えます。これには業界特有の事情があって、介護を必要とする人達の症状が一人一人違うことが原因のようです。障害の程度、障害の部位などにより、その障害者・被介護者が必要とされる介護用品・福祉用品の機能が少しづつ違っているのです。このため、介護用品・福祉用品のメーカーでは少量多品種を製造しなければならず、それで採算を取るためには複数の商社に依頼して全国に販売してもらうしかないのです。また、介護用品・福祉用品のメーカーが中小企業であることから、全国に製品を販売してもらうためにはこのような商社を介在しなければならないようです。ただ、このように流通ルートが複雑になっていることから、消費者には価格が高くなってしまう欠点があるようです。その内に、「介護福祉用品の価格破壊」と称して、安売りをする業者も出てくるかもしれません。それを期待してますが。
2011年10月14日