今年の会場で見た優れ物の一つは一段目の写真にある「患者移送システム」です。被介護者や患者をベッドから他のベッドに移送する場合、従来は2、3人がかりで持ち上げていました。このシステムではベッドからベッドに人力を使わずに移送させることができます。一段目の写真で、左側にあるのがその移送システムで、右側がベッドです。移送システムには幅広のベルトがエンドレスで巻かれています。このベルト全体を水平に移動させながら、移動させた距離だけベルトを回転させると、患者は同じ位置にいながらベルトの上で移動することになります。ベルトの厚みは薄く設定してあるため、患者をベッドの上に降ろすことができます。ベルトの駆動と水平移動を同期させたことがミソでした。
三段目の写真は指先のリハビリを行うものです。手袋のような補助具を手先に嵌め、装置から圧縮空気を送ることで手袋の指を動かすものです。動きにくい患者の指をこの手袋で半強制的に動かすことでリハビリをすることができます。この装置なら患者の意思とは別に、機械がリハビリしてくれることができます。
2011年10月30日