今年の宝石業界はメタメタに悪いみたいです。

 

 

  

 

   


今年最初の見本市である「国際宝飾展」にでかけてきました。世界の宝石・宝飾品のメーカー、問屋が出店し、全国や東南アジアから小売店が買い付けにくる見本市です。香港の宝飾見本市に比べると規模は半分以下と小さいのですが、国内では唯一の規模を誇っています。高額な宝石ばかりなので購入することはできませんが、見たことのないような宝石が出品されていて、見るだけでも楽しいものです。
ところが、この見本市には少々異変がありました。まず、会場が例年に比べると狭くなっているのです。例年はビッグサイト東館の6ホールを借り切るのですが、今年は5ホールとなっていました。二段目の写真は会場の案内地図なのですが、例年は上下にそれぞれ3ホールづつが印刷されていたのですが、今年は3ホールと2ホールに減っていました。三段目の写真は会場内を上から見下ろしたもので、賑わっているように感じられるのですが、場内では多少違和感が有りました。四段目の写真は場内の隅の方にある空きスペースで、本来はここにもブースが並ぶ筈だったのでしょう。出店者が集まらなかったため、休憩の場に利用されてました。
五段目はハンドバックを展示したブースであり、六段目は毛皮を展示したブースです。バッグはワニやトカゲの革を使用した高額なものですが、宝飾品や貴金属品とはすり会わない商品だと思います。ダイヤを販売している宝石店でワニ革のバッグを展示することはないはずです。(たまに、宝石と毛皮などを同じ店内で販売する店もあることにはあるのです。地方都市の場末にある裏さびれた店で、商品も二流以下のものです。)
出店者は、主催者発表で1580社であるとのことですが、それほどの出店者数ではないのでは、と疑問になりました。また、来場者も例年に比べると少なくなっているようで、数年前の賑やかだった頃が懐かしくなりました。出店者、来場者ともに減少しているはずですが、これはやはり不景気の影響であると思われます。食品や衣類などの日常必需品と比べると宝飾類は遊びの分野なので、財布の紐が最初に絞られる部分のはずです。昨年のギリシャのデフォルト問題、タイの洪水などの影響で、日本の景気は冷えきっています。そんな理由から今年の景気の見通しができ難くなっていて、小売店の買い付けが減ってきているのでしょう。景気回復を判断するには宝飾展のような、非日常品であって趣味性の高い商品を扱う見本市を観察するのが一番でしょう。
2012年1月13日