話題性があるので、中小企業は取り組みたいところです。





世間に中小企業の存在を知らしめるには効果的ですが。

 国技館で開催されたスモールメイカーズショーには、下町の中小企業の技術力を集めた最新鋭の商品が並べられていました。一段目の写真は、テレビのニュースではお馴染みの「下町ボブスレー」で、オリンピックで使用される予定なのです。二段目の写真は、複数の中小企業が集まって製作した電気自動車の各種です。三段目の写真は、「江戸っ子一号」という深海探索装置で、球形をした探査機を8千メートルの海底にまで投下できるものです。四段目の写真は、「まいど一号」という東大阪市の中小企業が協同して製作したロケットです。墨田区の中小企業は、このロケットに刺激されて「江戸っ子一号」を開発したそうです。
 これらの商品はニュース性があり、何度も何度もニュースに取り上げられ、ご覧になった方も多いかと思います。しかし、私は個人的には中小企業にはこのような開発はお勧めしません。目立つ商品を開発すると、広告効果は非常に大きいのですが、それに見合うだけの収益があるか、といえば疑問です。道楽でするのなら結構なのですが、中小企業の永続性を狙うのならお止めになった方がいいでしょう。特に、中小企業では、自転車、オートバイ、自動車などの動くものを試作される企業が多いのですが、これらは既に大企業によって寡占化された産業です。試作品を製作すれば目立ってニュースに取り上げられることは多いのですが、売り上げにつながったという話は聞いたことがありません。
 隙間商品を販売するニッチ企業では、目立たず、騒がず、地道にモノ造りを続けています。深く静かに活動することが、企業を継続できる秘訣なのです。
2013年8月24日