印鑑、印章はまだ社会生活で必需品なのです。

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電子商取引で印鑑の販売量は減っているのですが、必需品には変わりありません。

 オーダーグッズビジネスショーとなる前は印章展であったので、当然のように印章業界の企業も多数出店していました。印鑑、スタンプと言えば、業界では最大手のシャチハタが有名です。一段目、二段目の写真はシャチハタのブースで、業界大手であることから毎年のように新商品を展示しています。有名キャラクターを使用した馴染みのある商品が多いようです。
 会場内では複数の印材問屋も出店していて、各種の印材を即売していました。全国にある個人経営の印章店はここで印材を購入し、店頭に並べて販売しているのです。ここでの取引は現金決裁で、印章店は仕入れた印材の印面に彫刻し、実印や社印に加工して販売するのです。四段目の写真は象牙の印材を購入しでいる印章店の関係者で、少しでも模様の良い象牙の印材を選ぼうと一生懸命でした。
 五段目の写真はレザー加工による印鑑の製造装置で、チタンやセラミックなどの固い印材を彫刻できるものです。従来からある、刃物を使った彫刻機では固い印材を彫刻できず、このような装置を使わなければならないのです。この機械は20本近くの印材を並べておけば、自動的に印材を取り出して順番に彫刻できる専用機でした。自動機なので、24時間この機械を作動しておけば印鑑を大量生産することができます。すると、フル稼働すれば印章店は儲けることができるのですが、印鑑の受注は減少しているので大儲けとはならないようです。六段目の写真は、やはりレザー加工による印鑑製造機なのですが、装置の外観はどこかで見たことがありました。この加工機は金属の精密加工をするための汎用機であり、それを印鑑製造機に転用したものです。汎用のレザー加工機に印面の位置を検知するカメラを組み込んであり、カメラで印面の位置を決定してレザー光を照射することで彫刻できるようになってました。専用の自動機ほどの量産速度はありませんが、汎用機を転用しているので価格は安く、メンテナンスも簡単になりました。動作させるソフトを開発しただけで印鑑製造機に転用するのは面白いアイデアでした。
2014年10月5日