こんな見本市でもあれば楽しいかもしれません。
「としまものづくりメッセ」では豊島区が音頭を取って地元の業者から出店を募ったのですが、地元の業者としてはあまり乗り気ではなかったようで、本命の製造業者の出店は少ないものでした。業者としては、出店すれば展示費用、人件費などがかかるので、3日間も付き合っていれない、というのが本音でしょう。その代わり、製造業とはかけ離れた業者の出店があり、それなりに面白いものでした。まあ、豊島区にある業者のお祭りと考えれば肩の力も抜けて気楽に見学できるはずです。
一段目、二段目の写真は防災用品を展示していたブースです。リュックサックのようにして背負う袋の中には水道ホースと放水銃が収納してあり、火事が発生した場合にはリュックサックを背負って現場まで出掛け、水道の蛇口にホースを接続し、放水銃から火事場に放水して消火作業を行うものだそうです。なんだか可笑しいかと思われるのですが、これは豊島区では切実な事情から製造したものなのです。豊島区では昔からある木造住宅密集地があり、消防車が入れない路地が多いのです。そこで、このような装置を開発し、消防車が入れないような密集地での消火に利用するのだそうです。しかし、このような木造密集住宅向けの消火装置は東京のような特殊な場所でしか利用価値がなく、全国に販売できるものではなさそうです。
三段目の写真で床に置いてあるのは本物の棺桶で、この棺桶に入ってみて葬式の時に入棺する体験をしようというものです。四段目の写真は、実際に入棺している状態を写したものです。このブースは葬儀屋による出店で、葬儀の生前予約を受け付けていました。最近では葬儀屋がこのような入棺体験を実施するところが増えてきました。昔のように葬儀を忌み嫌うものではなく、現実に直面しなければいけない終末ということで考える人が増えてきたからでしょう。いずれ、何時かはお世話になることになるため、事前に体験するのもいいことでしょう。
五段目、六段目の写真は「トキワ荘」の知名度を上げるためのイベントを計画している団体のブースです。戦後間もなく始まったマンガブームで、豊島区にあった漫画家が集まって住んでいたトキワ荘の周辺を開発し、観光地にしようというものです。段ボールでトキワ荘の玄関を再現し、それとなく雰囲気を出していました。昭和の時代を背景とした文化により地元に集客しようという計画のようですが、これといった観光地の無い豊島区なので、一般人に受け入れやすい漫画から新たな観光地を仕立てようというものでしょう。
2015年3月13日