葬儀業界では毎年のように新しい提案やアイデアがあります。

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社会の変化により、返礼品の品ぞろえが変わってきました。

 今年も葬儀業界で唯一の見本市「フューネラルビジネスフェア」に出掛けてきました。日本は高齢化社会となり、毎年死亡する人数が増えています。しかし、死亡者の数は増えても葬儀業界はそれほど浮かれていません。葬儀をしない家庭が増えてきたからです。東京都の場合、死亡者の内で30%は葬儀を行わない直葬で見送っているのではないか、と推測されています。また、家族葬などの小さな葬儀が増えていて、一つの葬儀にかかる経費が減少しているため、業界全体の売上が減ってきています。葬儀業界は過当競争になっていて、実は厳しいのが現状です。
 このため、各葬儀社とも新しいサービスや商材を開拓する必要に迫られています。この見本市では、そんな葬儀社に向けて毎年新しいサービス、商材を提供しています。毎回、新規の出店者がいて、目新しサービス、商材を展示しています。
 さて、葬儀があれば、喪主は会葬者に返礼の品を送っています。従来の葬儀の返礼品はお茶、海苔、椎茸などの長持ちする食品が主流でした。葬儀社はこのような返礼品を問屋から購入し、喪主に販売することで利益を上げていました。実は、葬儀社の大きな利益はこの返礼品だったのです。十数年前のこの見本市では、会場の大きな面積を返礼品を販売する問屋が占めていました。各葬儀社は返礼品の問屋とその年度の商材の購入を契約するのが大きな仕事だったのでした。
 それが、家族葬が増えたことで返礼品の売り上げが減少し、葬儀社にとって大変な死活問題となってきていました。このような社会の変化により、返礼品の問屋の出店が減少していき、昨年は大手一社が目立った出店者でした。二段目、三段目のブースは毎年出店している老舗の返礼品問屋で、ここではお茶、梅干し、クッキーなどの従来から知られた商材を展示していました。しかし、今年はどういう訳が返礼品の問屋のブースが増えてきていました。4段目の写真はお茶の問屋であり、大きなブースで出店していました。しかい、展示している商材は5段目の写真にあるように、お茶の隣にコーヒー豆が並べられていました。また、6段目の写真は、コーヒーとそれに関連する商材を展示した返礼品業者のブースであり、ここではお茶は一切展示されていませんでした。要するに、社会の傾向として、日本茶よりもコーヒーの方が返礼品として好まれるのでした。社会のニーズに合わせて返礼品の問屋も変わってきているのでした。もしかしたら、将来は返礼品そのものが無くなるかもしれません。
2019年6月29日