名古屋で開催された国際総合物流展の様子。

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出展者のキャンセル、来場者の減少が見られました。


今回は名古屋で開催された「国際総合物流展」を報告します。「国際総合物流展」は東京のビッグサイトで隔年に1回開催される運送業界、トラック業界、包装材料業界が出店する見本市です。物流は商品や原料などを移動させるもので、社会インフラを維持するための基幹産業です。このため、出店者、来場者も多く、東京で開催すると3日間で6万人以上が来場する巨大な見本市です。
さて、今回は名古屋のセントレア空港の近くにある「愛知県国際展示場」で開催され、名古屋地区では初めてのことです。愛知県にはトヨタ自動車を始めとする輸送機器会社が多いため、集客が見込めると判断したからでしょう。今回の見本市は、
開催日 2021年3月9日から12日の4日間
出店者 245社
コマ数 775ブース
となっていて、ビッグサイトで開催する同じ見本市とほぼ同規模となっています。今回は名古屋初の開催なのですが、主催者側による発表では来場者は12549名となっていました。今までビッグサイトで開催してきた実績では、毎回6万人以上を集客してきたのですが、大幅な減少です。その原因はコロナ・ウイルスによるものであることは当然のことです。実は、昨年2020年2月に東京ビッグサイトで同じ主催者が恒例の国際総合物流展を開催したのですが、この時はコロナ禍が始まったばかりであったので来場者は2万1千人に減少していました。今回の名古屋初の見本市では更に減少したことになります。
1段目の写真は会場入口のホールで、2段目の写真は会場内のブースの光景です。来場者が集まっているブースもありますが、多くは閑散としていました。3段目の写真は休息所ですが、空いたブースの土間を埋めるようにして利用していました。また、4段目、5段目の写真はキャンセルされたブースです。パーテーションなどの装飾がなされていない土間の場所は出店者がいなくて、契約されなかったスペースでしょう。パーテーションがあって出店者の看板だけが掲示されているのは、出店の契約はしたのですが直前になってキャンセルされたブースではないかと思われます。キャンセルした企業は多かったようですが、主催者が発表しなかったので全貌は不明です。
出店した人からの話では、来場者の殆どは中小企業の従業員ばかりで、上場企業や一流企業の社員の来場は見かけられなかった、とのことです。
出店者のキャンセルが増えた理由には、来場者が少なくなると見込まれ、ブースを出店しても経費に見合うだけの商談を得られないと判断したからでしょう。また、ブースに社員を配置して、万一社員がコロナ・ウイルスに感染したら大変なことになるからでしょう。ウイルスに感染した社員が本社に戻ってきて、社内でクラスターが発生したとなれば、その事業部は暫くの間は機能不全に陥ってしまいます。また、社会的な信用が落ちてしまうことになるでしょう。
来場者についても同じようなもので、見本市に出かけた社員がコロナに感染したら同じ問題が発生します。このため、県外から社員を見本市に行かせることが無くなります。
これは伝聞なのですが、地方の企業から社員を東京の見本市に派遣した場合、その社員には3日間の有給休暇を与え、帰社させない企業もあるそうです。その間に社員にPCR検査を受けさせ、陰性でなければ出社させない、という指導をしているとのことです。どこまで本当か不明ですが、1人の社員の感染により1企業の経済活動が停止するとなれば大変なことです。そこまで予防策を採っている企業があっても奇怪しくないでしょう。
2021年3月17日